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      脳性麻痺(小児まひ)のリハビリテーション






 
1.脳性麻痺(小児まひ)の概論         

 2.脳性麻痺(小児まひ)診断・評価

 3.脳性麻痺(小児まひ)治療方法・手技




 

4.小児麻痺に対するリハビリテーション




理学療法ガイドライン



重要なのは評価した時点で正常発達からどの部分がどの程度逸脱しているのかという点、そして最終的な到達レベルはどの程度かと予測されるかということである。
到達レベルを予測することは容易ではなく、現在確立した方法はない。
様々な評価で得た資料によって仮の到達レベルを設定する。
将来像の予測なしに介入効果を云々することは出来ない。

 プログラム立案時の基準が2つ考えられる。第一は対象者の状態であり、具体的には障害の程度である。
障害構造全体を考えた上で、現在変化することが最も必要とされる点、治療効果が最も顕著となるであろう点を見出し、その点についてのプログラム立案を行う。
その際、短期および長期のゴールを定める。
短期的には機能面に目標が設定されることもあり得るが、長期的には能力面さらには社会における自立度といった面から検討される。
もう一つの基準は年齢であり、それぞれの年齢においてどのプログラムが最も適しているかを判断することが課題となる。



<早期のアプローチ>

CPに対してできるだけ早期にプログラムを開始することの意義は大きい。
このため、0歳児から運動発達に異常性が見出されればプログラムは開始される。
1歳に満たない段階では、意図的な動作に比較して不随意な反射による影響が前面に出るので、この時期の評価では姿勢反射の異常としてとらえることが可能である。
この時点でのアプローチは、第一に姿勢反射の獲得状況に着目し、獲得が遅れている部分があれば、その原因が何なのかを検討し、姿勢反射の向上的な変化を促そうとすることになる。

アプローチは、主に原始反射を抑制し、立ち直り反応および平衡反応を引き出すことに焦点が当てられる。
抑制は、反射を誘発する刺激を出来るかぎり排除することによって行われる。
CPは機能障害のために運動が制限され、自然な経験が極端に少ない状態なので、故意にある種の刺激を作って繰り返し刺激を与え、対象児に負荷することで立ち直り反応、平衡反応などの出現を促す。

機能障害へのアプローチの第二の視点は、運動発達の段階に沿って粗大運動をより高度なレベルのものへと引き上げようとすることである。
正常発達の順序性を知った上で、現在の対象者の能力の次の段階は何なのか設定し、段階的な訓練を現在の能力に応じて順次行っていかなければならない。

 訓練は訓練室でしか実施できないわけではなく、色々なときに、それぞれの場所で訓練を応用して行うことができる。
家の各部屋の装い、すなわち乳幼児が寄りかかって立てる適切な高さの机が家にあるか否か、本棚にはつかまる取っ手があるか、立ったとき見て触れて喜ぶおもちゃが置けるかなどを考慮し、家のそれぞれの場(空間)を活用して育児を行う。
これらの環境は、子供の運動体験を豊富にし、発達を促す環境設定となる。



<幼児期から学齢期のアプローチ>

 ADL自立度は、主に姿勢反射に代表される運動機能面と知的状態が要因となり決定される。
Molnarらの報告では、痙直型では2歳を過ぎると姿勢反射の高次化が起こらないとしている。
痙直型以外の脳性麻痺を含めても、学齢期に達してなお姿勢反射の獲得状況が変化するとは考えにくい。
また、知的状態について考えると、ADL自立には2〜3歳の精神発達年齢が必要とされている。
幼児期からADL指導を徐々に導入し、学齢期では理学療法プログラムの中心はADL自立度向上を目的としたものに移行すべきと考えられる。

 ADLについて理学療法プログラムに組み込む場合、同一の動作でも年齢によってその方法を変化させる場合がある。
幼児に対しては正常運動パターンを念頭においてADL動作の訓練を行い、ある程度年長の場合には実用性を重要視して、場合によっては代償動作を利用した動作であっても日常的な自立を優先することになる。



<学齢期以降のアプローチ>

 日常生活において発揮される能力は学齢期にほぼ決定される。
学齢期以降では、身の回りの活動を超えた社会での適応能力向上がプログラムの目的となる。
具体的には職業のための技術の習得などがある。

 成人以降の時期に達すると、機能、能力を維持するためのプログラムが必要となる。
対象者が日常生活で繰り返す動作が特殊な運動パターンで行われる場合、特定の関節、筋に負担を強いることとなり、加齢に伴い可動域制限、疼痛などの二次障害を引き起こす可能性が強まる。
これに対して関節可動域維持のためのプログラム、また四肢関節の疼痛、腰痛、頸部痛に対するプログラムが必要になる。
なお、日常生活動作における特殊な動作は、対象者の唯一の動作パターンである場合が多く、動作自体を排除することはADL自立度の低下を直接意味することも多い。

動作にある程度の制限を求めるか、動作パターンを許し二次障害予防のプログラムで対応するか、個々のケースで判断する必要がある。

 加齢による運動能力の低下はCPに限局した問題ではないが、脳性麻痺ではその変化がさらに早い。移動距離が短くなったり、移動速度が遅くなったり、疲労の回復が遅くなったなどの訴えが30〜50歳代でみられる。
わずかなきっかけで自立歩行不可となることもあるので注意する。



 5.各発達期の療育

 6.脳性麻痺の病型別アプローチ 

 7.呼吸障害

 8.摂食嚥下機能障害 









 
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