福祉用具 > 電動ベッド
ベッドについては、普段使用している一般的な市販ベッドのほかに、手動でクランクハンドルを回して背中の部分が立ち上がって上半身を起こすことができる「ギャッチベッド」、またこれらの背上げ動作をモーターによる電動で行う「電動ベッド」などがありますが、ここでは、対象者の方に広く使われている「電動ベッド」について説明します。
電動ベッドの選び方
(1)電動ベッドの構造、各部位の名前・名称
(2)電動ベッドの各部位の機能
1.メインフレーム
メインフレームはベッドの電動機能を持っているところなので、電動ベッドの心臓部ということがいえます。
昇降動作には、そのまま垂直に上がっていく
「垂直昇降」と半円を描くように上り下りする
「円弧昇降」があります。
円弧昇降を行うベッドの場合には、左右の最大振れ幅を考慮してベッドを壁から離して設置する必要があります。
垂直昇降タイプ 円弧昇降タイプ
2.サイドフレーム
サイドフレームには、中央部がカットされているタイプのものがあります。この場合、端座位(ベッドに腰掛けた状態)から立ち上がる時に足を引くことができるので立ち上がり易かったりします。
逆にサイドフレームに板が付いているタイプのものがありますが、この場合見ばえがよかったりしますが、立ち上がる際に足をひくことができないので立ち上がりにくい場合がありますので注意してください。
3.ボトム
ボトムは床板ともよばれ、その枚数や材質がそれぞれ異なります。
ア) 3枚ボトム
・背ボトム
・大腿ボトム
・脚ボトム
から成ります。
3枚ボトム
イ) 4枚ボトム
・背ボトム
・座ボトム
・大腿ボトム
・脚ボトム
から成ります。
4枚ボトム
ウ) 5枚ボトム
・背ボトム
・腰ボトム
・座ボトム
・大腿ボトム
・脚ボトム
に分かれます。
5枚ボトム
基本的に、
ボトムの数が増えれば、より調節の幅が広がったりしますが、そのぶん
値段も上がっていく傾向にあります。
また、この他のボトムの形状としては、ボトムから座ボトムの間が波状のボトムになっているものもあります。
大転子の位置から体幹中央を結ぶ線が背ボトムと平行になっているものが胸部への圧迫が少なくなります。
このボトムは、利用者の体の大きさに合わせて、折れ曲がる部分の長さを調節できたりします。
(3)電動ベッドの付属品
1.サイドレール(ベッド柵)
サイドレールは、本人または布団が落ちないように防止したり、寝返り、起き上がり動作のきっかけ作りを行います。
差し込み「サイドフレーム固定型」ベッド柵や「ボトム固定型」ベッド柵などの種類があります。
ボトムに固定されているものの方が、背上げを行ったときに一緒にサイドレール(ベッド柵)も上がってくれるので、柵とベッドの間に腕などを挟み込む心配がありません。
サイドフレーム固定型 ボトム固定型
2.移動介助バー
この移動用バーは、立ち上がりや方向転換の補助に使う場合と、座った状態を保持するために使う場合があります。
この移動用バーの上端の高さは、ベッドのボトムから30 cmぐらいになります。
よって、立ち上がってしまうと手が届きにくいので、方向転換などをするときには少し中腰にならなければいけません。
3.マットレス
電動ベッドで用いるマットレスはボトムの動きに合わせて曲がるようなものである必要があります。
このマットレスには動きやすさや、体にかかる圧力(体圧)を分散させる機能が必要になってきます。
また、立ち上がる時の床からの高さも考えなくてはなりません。
そのため、マットレスを選ぶ際も慎重になる必要があります。
マットレスについてより詳しく
4.サイドテーブル
サイドテーブルとは、ベッド上にいながら使用できるテーブルのことです。
ア)ベッド柵差し渡しテーブル
ベッド柵に取り付けて使用するタイプのものです。価格的にもリーゾナブルです。
ただこの場合、高さの調節はできません。
イ)門型テーブル
ベッドをまたいで設置します。
高さの調節ができたりしますが、ベッドの両脇にある程度のスペースが必要になってきます。
ウ)片持ちテーブル
ベッドの片方の側に設置するタイプのものです。
高さの調節もできるので作業などもしやすいですが、体重など大きな力を加えることができないなど、不安定な面もあります。
5.クッション
クッションは、褥瘡の好発部位である仙骨や大腿骨大転子、踵骨などの骨が突起した身体部位が、直接高い圧力を受けないように差し込むことがあります。
また、背中やひざ下に挟んで、屈曲姿勢をとったり、側臥位を安定させるなど、目的に応じて活用することができます。
クッションについてより詳しく
(福祉用具トップページへ)