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筋ジストロフィーのリハビリテーション
4.上肢機能評価
上肢に関しては、肩の安定性と自由度の喪失→肘の伸縮性の喪失→手指を中心とした残存機能による動作という障害の進展過程に則した障害度分類が用いられてきた(Price、上田法、水平法など)。松家はこれらをもとに上肢挙上を5段階、机上での手の水平移動を4段階に分けた9段階分類を考案し、現在広く用いられている(表10、図13)。上肢機能障害度と年齢の関係を図14に示す。
上肢の機能障害はまず肩関節周辺より生じ、上肢の直上挙上が困難になる。下肢と異なり肩・肘・手関節の可動域制限や拘縮が日常生活動作上問題となることは少ないようである。
続いて上腕二頭筋の筋力低下が現れ、洗面動作や両上肢使用での食事動作が困難になってくる。また、食卓の端で前腕を支持して箸先を口にもってくるような動作で食事を行う。DMD症例の手指機能は進行期まで維持され、多くの動作を手指の動作で代償するようになる。
表10 上肢機能障害段階分類(9段階法)
図14 上肢機能障害度ステージと年齢との関係
図13 抗重力、動作テスト(9段階法)
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