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      筋ジストロフィーのリハビリについて



 筋ジストロフィーのリハビリテーション




 (5)注意すべき合併症

1. 呼吸不全
 Duchenne型における呼吸不全の本態は、呼吸筋力低下による肺胞低換気である。その初発症状や徴候は必ずしも呼吸困難ではなく、一見非特異的に見えるものも多い。例えば、@全身倦怠感、食欲不振、体重減少、A朝の目覚めが悪い、朝の頭痛・頭重感、B早朝のチアノーゼ、C冷汗、D排便困難、腹部不快感、E頻脈、唾液・喀痰の増加、F体位変換の要求の増加などである。さらに問題になるのは、気道分泌物の喀痰が困難になることであり、これはしばしば呼吸器感染症、無気肺、窒息につながる。日常特に呼吸器症状が見られなくても上気道感染時に去痰困難を訴えることは10歳前後でも十分に起こりうる。

2.左心不全
 人工呼吸器療法により呼吸不全による死亡が減少してきた現在、Duchenne型における最も多い死因は心筋障害による左心不全である。臨床症状としては全身倦怠感で初発するものが多い。初発症状から平均6ヶ月で顕性心不全に移行し、呼吸困難や血痰がみられるようになる。

3. 不整脈
 不整脈として多いものは、洞性頻脈と心室性期外収縮である。後者は単源性でも非常に数が多いものは心不全を招きやすく、また多発性、連発性のものは突然死の可能性がある。

4.気胸
 Duchenne型においては、自然気胸の罹患率が高く18%という報告もある。20歳以上、低体重(30kg以下)の例での発症が多い。自覚症状に乏しく、偶然の胸部X線撮影により発見されるものが多い。また、再発が多いことが知られている。

5. 消化管運動障害
急性胃拡張は脊柱変形に伴う上腸間膜動脈症候群が原因の1つと考えられているが、Duchenne型では消化管自体の運動も低下するとされ、必ずしも脊柱変形が著明でなくても発症する。心窩部痛、嘔気、嘔吐、腹部膨満などを訴えて気づかれることが多い。放置すれば、脱水、酸塩基平衡障害、穿孔をきたす危険があり、致命的となりうる。また、便秘がかなり高率に認められるほか、腸閉塞を繰り返す症例もある。



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