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顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
(facioscapulohumeral muscular dystrophy:FSHD)


<病因・病態>
 FSHDはその名の示すとおり、顔面・肩甲・上腕近位部の筋萎縮と筋力低下が目立つ緩徐進行性の筋ジストロフィーで、常染色体優性遺伝の遺伝形式をとる。罹病率は人口10万人当たり5人程度と世界的に共通で、DMD・BMD、筋強直型に次いで頻度の高い遺伝性筋疾患である。第4染色体長腕テロメアに存在する3.3kb繰り返し配列の数が減少することによるユニークな疾患である。

<臨床症状>
 FSHDの臨床診断基準として、@顔面、肩甲帯を初発部位とする、A家系内発症者の半分以上に顔面筋罹患を認める、B常染色体優性の遺伝形式をとる、C少なくとも一例の家系内発症者に筋電図または筋生検により筋原性変化の存在を確認する、という4項目が挙げられている。
 発症年齢は0〜65歳と非常に幅が広いが、思春期までに何らかの症状で気付かれることが多い。症状の進行は緩徐であり生命予後は良好で、通常は天寿を全うする。臨床診断基準@にあるように、FSHDの障害筋分布は特徴的で、顔面頬部、肩、上腕部に強い筋障害を認め、翼状肩甲が認められる。初発症状は、表情が乏しい、目を開けたまま寝る、上肢の挙上困難、翼状肩甲といった顔面筋あるいは肩甲帯筋群の罹患を示唆する症状が主訴となる場合が多い。一方腰帯、下肢の筋は早期には比較的保たれていることが多いが、進行すると徐々に障害が及び、約20%の症例が40歳までに車椅子生活を余儀なくされる。筋障害の程度には左右差の目立つことが多く、FSHDの臨床的特徴の一つとされる。筋症状の他、神経性難聴および網膜症の合併も多く、約50%の患者に認められる。外眼筋、咬筋、咽頭筋、舌筋、心筋の障害はFSHDの除外項目としてあげられているが、稀に障害が認められる場合があるので注意を要する。




図39 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー




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