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      椅子からの立ち上がり介助方法





・援助のポイント


 
1、座っている姿勢を立ち上がりやすい状態に整える


座面が高いほど、また床につけた足部が臀部(おしり)に近くなるようにするほど立ち上がりやすくなります。

ほかに、骨盤の傾きが影響します。

骨盤が後方に傾いた姿勢は、体の重心がより後方に位置しています。

このまま立ってもらおうとすると体重心が後方に残り介助者の負担を増やします。

背中をできるだけ伸ばして骨盤を前に傾斜(股関節を屈曲)させやすい座位姿勢に整えます。



 
2 、介助者は介助を受ける人の動作を妨げない位置に立つ

椅子からの立ち上がり方介助
立ち上がりでは、いったんおじぎをするように頭を前方へ移動させます。

頭部の移動は、少なくとも膝と足部よりも前方に移動しなければ臀部が座面より持ち上がりません。






椅子からの立ち上がり介助方法
 介助者が介助を受ける人の前方に立ちこの動作を妨げてしまうと、体重心が後方に残り、介助者の負担を大きくしてしまいます。


前方からの介助では介助を受ける人の動作を妨げないようにスペースをつくることが必要です。




また、ケースによっては側方から介助する方法が有効です。



 
3、運動障害の程度に合わせて介助のポイントを変える

基本的な原則は、姿勢を保持できないときには体幹を支え脚力に問題があればこれを補う形で介助します。

しかし、これらのどちらもが障害されることもあります。

たとえば重度の脳卒中片麻痺がそうですが、この場合の介助者は脇から手を沿えて体幹をまっすぐにするように保持します。

さらに、両膝で介助を受ける人の両膝を挟むようにして下肢を支持します。

軽度の片麻痺では、介助者が麻痺側から背部に手をまわして、脇から麻痺側の上肢を軽く支持しながら一緒に立ちあがります。


いすからの立ち上がり介助方法
 よく介助者が介助を受ける人の下肢の間に入り込み、首や肩に手を回してもらい立ち上がりを介助する方法を見受けます。

この方法で、もし介助を受ける人が座った姿勢を変えずに引っ張るように力を入れてしまうと、介助者は中腰の状態で自分と相手の体重を支えることになりケガのもとになります。


これを防ぐためには、右図のようにたとえば介助者の腰に手を回してもらうなど、介助を受ける人の体を前方移動させやすい部品をつかんでもらうことで介助は楽になります。



また、座面を高くして立ち上がりを容易にする工夫なども有効です。



 
4、介助を受ける人に立ち上がりを妨げる動作を回避する

 理解力に問題がある場合を除き、介助を受ける人に動作を妨げないように協力してもらうことで介助量を軽減することができます。

立ち上がりを困難にしているほとんどの原因は、体重心を前方に移動できないことにあります。

たとえば前方に倒れるのが怖いため、足部を前方に移動したり、つま先に力を入れて体を前に移動しにくくしたりすることがあります。

一般の人でも踵を浮かせたつま先立ちの状態では立ち上がりが困難になり、逆に踵を接地させ、つま先を軽く浮かせた状態のほうが立ち上がりやすくなります。







 
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