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      筋ジストロフィーのリハビリについて



 先天性筋ジストロフィーには中枢神経症状を合併する福山型(Fukuyama CMD:FCMD)と中枢神経症状をみない非福山型(non FCMD)に2大別されている。非福山型は古典型(classical)、あるいは西洋型(occidental)ともよばれている。非福山型の患者の中から、メロシン(ラミニンα2鎖)という蛋白の欠損型が見いだされたことにより非福山型はメロシン欠損型とメロシン陽性型に分けられている。

a)福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama-type congenital muscular dystrophy:FCMD)

<病因・病態>
 2000ないし3000年前にあたる日本人の祖先に突然変異が起こり、それが日本全体に広がったと考えられている。第9染色体長腕(9q31)に遺伝子座がある。常染色体劣性遺伝をとり、日本人10万人に対し1ないし2人の患者がいると計算されている。また、日本人の約80人に1人は遺伝子変異を持っている(保因者)と推定されている。





図35 福山型先天性筋ジストロフィーの筋病理


<臨床症状>
 生下時から呼吸不全、哺乳力低下をみるものもあるが、多くは発育、発達の遅れで気付かれる。頚定は平均8ヶ月といわれている。多くでは2歳前後で座居まで獲得できるが、歩行を獲得するものはきわめてまれである。平均寿命は12歳前後であるが、中には長命のものもある。
 全身の筋力、筋緊張低下があり、乳児期は身体が柔らかく、いわゆるフロッピーインファント(floppy infant:身体が柔らかくぐにゃぐにゃした赤ちゃんのこと)である。顔面筋罹患があるのが特徴であり、少し表情に乏しく、口を開いておりよだれ(流涎)を多くみる。頬は仮性肥大のためふっくらしている。睫毛が長くキラキラとした目をしている(図36)。早期から関節拘縮をみる。関節拘縮は手指、股関節、足関節に強く、年長児では顎関節を含め全身の関節に及ぶ。仮性肥大は前記のように頬と腓腹筋に軽度みられるだけである。
 中枢神経症状は本症では必発である。全例に中−高度の知的発達遅滞がみられ、知能指数(IQ)が50以上を超える場合は少ない。多くは単語のみがしゃべれ、文章までしゃべれる場合はまれである。有熱性ないし無熱性(てんかん性)痙攣を約半数にみる。





図36 福山型先天性筋ジストロフィー




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