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      筋ジストロフィーのリハビリについて


 Becker型筋ジストロフィー(BMD)



 BMDはX(性)連鎖劣性遺伝をとり、男性が罹患する。発症年齢は従来5〜25歳とされていたが、最近は30歳代あるいは60歳代以降の発症例もあることが報告されている。Duchenne型に臨床症状は似るが、15歳をすぎても歩行可能な軽症例につけられた臨床診断名である。BMDではジストロフィン蛋白はまがりなりにも産生されていて、それが筋の変性を防いでいる。したがってDMDと比較すると症状が軽いのである。

<病因・病態>
 BMDの遺伝子座もDMDと同じように、Xp21にある。DMDと同様にジストロフィン遺伝子の欠失が最も多く、患者の約60%にみられます。しかしDMDと異なり欠失には3塩基の読みのずれはない。そのため分子量は427kDより小さく、量的には少ないがジストロフィン蛋白は生成される。
 筋生検では筋線維の大小不同、壊死・再生など筋ジストロフィーの所見を備えている。ただし、DMDより一般に軽く、多くの肥大線維を含んでいる。ジストロフィン染色をすると筋線維膜はまだらで薄く染まる(図33)




図33 ベッカー型筋ジストロフィーの免疫組織化学的染色
※ジストロフィン抗体で染色すると、ベッカー型ではジストロフィンはまだらではあるが明らかに存在する。DMDのように完全欠損ではない。


<臨床症状>
 通常腰帯筋の筋力低下、筋萎縮から始まり、DMDと同様に登攀性起立、動揺性歩行がみられるが、程度は軽度で両足跳びや片足跳びも可能な時期がある。筋力低下が肩甲帯に広がり、翼状肩甲を認めたり腓腹筋の仮性肥大を伴うが進行はDMDより一般に緩慢で、15歳を過ぎても歩行可能な例が多く発症後25年またはそれ以上を経て歩行不可能に陥る。寿命はDMDに近い重症例から天寿を全うする例まで幅広い。
 DMDでは10歳代後半から臥床状態となり、体動による心筋への負荷は比較的軽減されるのに対して、BMDでは身体活動、起立・歩行能力も30歳代あるいは40歳代をすぎても維持されていることも多いため、心筋に負荷がかかりやすいこともあり左心不全で死亡する症例も少なくない。検査法の進歩とともにBMDでは表現型が多様であることが明らかになり、高CK血症のみで筋力低下を認めない症例、筋痛・筋痙攣を示す家系、運動不耐症とミオグロビン尿症を示す家系、Quadriceps myopathyの病像を示す家系などが報告されている。




図34 ベッカー型筋ジストロフィー




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