福祉用具 > 車椅子(車いす) > 電動車いす
(1)電動車いすの種類
電動車いすには、バーハンドルタイプの「電動三輪・電動四輪車」、ジョイスティックで操作する「電動車いす」、普通の車体に電動装置を付け加えた「簡易電動車いす」、簡易電動車いすの操作装置を介助者が操作できるようにした「介助用電動車いす」などがあります。
バッテリーを搭載していて、最高速度は時速6 km以下に制限されており、充電時間は5時間くらいです。
1.電動三輪・電動四輪車
いわゆるスクータータイプの電動車いすです。
自転車などと同じバーハンドルで操舵します。
他の電動車いすと比較して全長が長く、小回りができないことなどから、屋内で使用することは難しく、主として屋外の移動手段として使われます。
・三輪車と四輪車との違い
三輪車のほうが小回りができ、幅が狭めですが、障害物に乗り上げると転倒しやすいということから、近年では四輪車の方が普及してきています。
2.電動車いす(ジョイスティックタイプ)
手の機能が低下し、バーハンドルなどの操作ができない場合に主として利用する電動車いすです。
ジョイスティックで操舵とアクセル操作をするので、腕の筋力がなかったり、腕が上がりにくい場合でも利用できます。
ほぼその場回転に近い小回りができることから、屋内・屋外共用で使用できます。
しかし、一般的な車いすと比較すると、幅などが大きいので、屋内で使用する場合は環境を確認する必要があります。
座面などの調整は一般的な車いすと異なり、調整できる部分はほとんどないので、クッションなどで姿勢調整を行う必要があります。
3.簡易電動車いす
一般的な車いすに電動機構をつけた電動車いすです。
上の電動車いすほど重くなく、頑丈ではありません。
バッテリー容量も少なく、簡易に利用することを目的に作られています。
自動車のトランクの大きさによってはそのまま積める場合があり、一般的な車いすの感覚で使用できます。
4.介助用電動車いす
上の簡易電動車いすの後部取っ手部分に介助者用の操作装置をつけた電動車いすです。
介助者用の操作としては、ただ単に前進用のスイッチだけがついているものが主です。
そして、下りでは手を離せば自動的にブレーキがかかるようになっています。
一般的な車いすで上り坂を介助するのはとても労力がいります。
また、下り坂では危険が伴います。
このような場合に便利です。
(2)電動車いすを使用するときの注意事項
1.車椅子は歩行者
道路交通法上は歩行者となります。
したがって、6 km/hより速いものは認められませんし、歩道がある道路を走行する場合は歩道を走行するのであって車道ではありません。
また歩道がない道路では右側通行になります。
2.交通法規を確認する
歩行車としてどこを走るべきか、具体的な環境の中で考えます。
駐車するさいに、一般の通行を邪魔しないような配慮も確認しておきます。
3.操作能力があるのかどうか確認する
高齢者の場合には操作能力が低下している場合があります。
視力や認知能力など注意を払って評価・アセスメントします。
少し不安があれば、電動車いすの速度を落とすことなども含めて考えていきます。
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